中国中部原産の落葉小高木。国内には、奈良時代に導入された。高さは5-10m、径60cmに達する。樹皮は暗灰色で不揃いな割れ目がある。葉は互生し、葉身は長さ4-10cmの倒卵形から楕円形、縁に細かい鋸歯があり、先が長く尖る。早春、葉がでる前に前年枝の葉腋に径約2cmの芳香のある花を数個つける。花柄はほとんどなく、雄しべは多数。果実は径2-3cmの球形の核果、6月に黄色に熟す。江戸時代に改良がおこなわれ数多くの品種が作出され現在500品種以上あるとされる。原種に近い野梅系、枝の髄や幹の断面が紅色の緋梅系、梅と杏の交雑種の豊後系に分類される。庭木、盆栽、公園樹や果樹などで植栽され、果実は薬用、食用にし、材は床柱や彫刻材などで利用される。
|