暖地の林縁に自生する常緑低木。名前の由来は、果実が熟しても割れないことから、クチナシ(口無し)となったとされる。葉は対生または3輪生し、葉身は5-15cmの長楕円形、先が尖り、縁は全縁。6-7月に枝先に強い芳香のある花をつける。花は咲き始めは白色で次第に黄色へ変化する。花冠は5-7裂し、葯が花冠の裂片の間につく。ジンチョウゲやキンモクセイとともに「三大芳香花」と呼ばれる。花から採れる精油は香水の原料に、種子は食品用の黄色の染料で利用される。庭木などで植栽される。八重咲のものはヤエクチナシ(var. fortuniana)と呼ばれる。
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