アケビの仲間で海岸近くの林縁に自生するつる性の木本。天智天皇が老夫婦に長寿の秘訣を尋ねたところこの果実を食しているからと答えたことから「むべなるかな」(もっともである)と云われ、むべの名が付けられたとされる。アケビが落葉性なのに対し、ムベは常緑性であることからトキワアケビの別名がある。葉は光沢があり革質、互生、掌状複葉、小葉は有柄で3-7個つき、5-10cmの楕円形。4-5月に葉腋に総状花序をだし、3cm程の淡紫色の花を下向きに数個つける。花弁はなく萼片が6裂する。果実は10-11月に赤紫色に熟し生食されるほか果実酒に用いる。庭木や生垣などで植栽され、つるは細工物の材料として利用される。
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